日本におけるひとり親世帯の状況

わが国のひとり親世帯の貧困率は5割を超える非常に高い水準にあります。その背景には、重要な生活の支えのひとつとなっている養育費を8割が受け取れていないという現状があります。
その現状解決のため、「養育費不払い問題」について議論を進めてきました。

 

養育費に関する議論

自民党の女性議員を中心に、数年前から養育費について取り組んできました。

子どもの大切な権利である「養育費」ですが、その背景には「離婚」があり、更には「面会交流」「親権」など、さまざまな課題や問題が関わってきます。また、それぞれの立場や事情により、「養育費」に対する考えも十人十色です。そのため、「、健やかな成長を守りたい」という共通の思いはあっても、なかなか話を進めることができませんでした。

私自身は、初当選直後の平成25年に上川陽子自民党女性活躍推進本部(当時)のご指導の中、養育費の勉強会を立ち上げ、新米議員として先輩に一生懸命着いていきました。この勉強会では、養育費を取り決めることの重要性についての周知のあり方についても議論をしていました。

平成30年には、成年年齢を18歳に引き下げる民法改正法の成立に伴い、養育費の支払い期間の終期が必ずしも成年に達する時ではないことを明らかにする趣旨で、法務省に対して離婚届の様式の変更等をすることを働きかけ、離婚届の様式が変更されました。

その後、養育費不払い問題について、森まさこ自民党女性活躍推進本部長(当時)の下で検討されてきましたが、昨年6月にプロジェクトチームが立ち上がり、今度は座長として取り組みました。

今年2月に衆議院予算委員会でこの問題について質問してから、森大臣の下で法務省内に立ち上げられた勉強会と両輪となって加速的に議論が進められました。新型コロナの影響でプロジェクトチームの会議が思うように開けなかったり、慣れないリモートで有識者や自治体にヒアリングしたりと初めての試みの連続で、緊張の毎日でした。

 

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う問題の発生と特例措置の対応

コロナウイルスのイラスト途中、ひとり親家庭の方から養育費が払われなくなった、どうにかしてほしいという訴えもいただきました。ひとり親家庭の貧困は待ったなしの状況です。しかし、現状下では支払う側も困窮しているケースが考えられ、これについては2次補正でひとり親家庭に対して一律給付(5万円、2人目からは3万円)の予算を確保となりました。

 

 

「養育費の速やかな解消に向けた提言」を安倍総理はじめ関係閣僚に申し入れ

令和2年6月2日 総理官邸にて 猪口邦子自民党女性活躍推進本部長および養育費等に関するプロジェクトチームのメンバーとともに提言

さまざまな課題を抱えながらも、「養育費」という子どもの大切な権利の確保に焦点を絞って提言をまとめ、令和2年6月2日に安倍総理に提言の申し入れをすることができました。

総理からは「ひとり親の生活の安定、養育費に困難している子どもの生活を支援するのは大変重要である。しっかり提言を受け止め、関係省庁の取り組みを加速する」とのお言葉をいただきました。

 

これからも

議員の先生方にご意見やご指導を賜ったり、関係省庁や党との調整など何とか進めたりすることができたのは、全ての皆様の「、健やかな成長を守りたい」という心ある熱意の賜物であると思っています。提言内容の実現までには、まだまだこれから多くの課題を乗り越えなくてはなりませんが、引き続き誠心誠意取り組んでまいります。

 


提言内容資料

 

養育費不払いの速やかな解消に向けた提言.pdf

 

 

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