熱中症対策は待ったなし

 

熱中症の死亡者は昨年を除き年間 1000人を超えていますが、適切な予防を行うことで未然に防ぐことができるものです。

2022年においても梅雨明け前の6月にも関わらず、既に学校の体育大会等で多くの子どもたちが熱中症で搬送、埼玉県では高齢者が熱中症の疑いで命を落とされました。 熱中症対策は待ったなしです。

世界各国においても異常気象による災害は相次いでいます。昨年カナダのブリティッシュコロンビア州では49.6°Cを記録、1 週間で526人もの方が亡くなりました。日本の人口に当てはめると1週間で約1万人が亡くなった計算です。そこは札幌市とほぼ同じくらいの北緯50度に位置する本来は冷涼な気候の所です。

 


官邸主導による危機管理体制強化の必要性

 

これはまさに大災害です。特に今夏は平年に比べ、全国的に暑くなるとの予測がある上に、電気料金高等等により、熱中症の予防に不可欠なエアコンの利用を控える懸念があります。また、新型コロナウイルス感染症の感染対策として、マスク着用は引き続き有用ですが、高温や多湿の環境下でのマスクの着用は熱中症のリスクを高める恐れがあります。

わが国でも地球温暖化の進行を考慮すれば、熱中症による被害が今後深刻化する恐れ があり、異常気象による高温対策や大規模災害など広範囲にわたる災害を想定した官邸主導による危機管理体制の強化が必要であると考えます。

 


「提言」を毎年取りまとめ、政府与党に申し入れ

 

熱中症対策推進議員連盟は、2019(令和元)年に発足(会長は故望月義夫元環境大臣、 私は事務局長代行でした)、2020 東京五輪・パラリンピックに向けた熱中症対策を講じていました。

その後、望月義夫会長のご意志を引き継ぎ、丸川珠代会長を先頭に、私も事務局長として毎年提言を取りまとめ、政府与党に申し入れを行ってきました。

また、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針である「骨太の方針 2022 (正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針2022」)にも、防災・減災および持続 可能な社会保障制度構築の必要性の観点から熱中症対策の必要性が盛り込まれまし た。

 


令和4年提言の概要『夏に向けた重点対策』

 

    1. エアコンの確実な利用

      • エアコンの利用の有無は命に関わる問題であり、エアコンの利用の重要性を一 層周知すること。
      • 生活に困っている方々においてもエアコンを確実に利用できるよう、政府の総合緊急対策を適切に執り行うこと。
      • 災害や電力需給調整による停電によりエアコンの利用に支障が生じる場合に備えた対策を検討すること。
      • 設置率の低い体育館等の公共施設におけるエアコンの普及促進を早期に図ること。
    2.  熱中症警戒アラートの更なる活用、学校現場や地方公共団体における熱中症対 策の促進等

      • 屋外で人との距離が十分確保できる場合等にはマスクを外しても差し支えないこと等を適切に周知すること。
      • 各学校においては、各学校現場の個別状況を十分に踏まえ、熱中症対策に関するガイドラインを作成すること。
      • 熱中症警戒アラートにつき、国民がより分かりやすい内容とするよう早急に改善に向けた検討を進めること。
      • 地方公共団体が、関係部局が連携して円滑に熱中症対策を行うことができるよう、政府においては適切な助言、連携等の支援を強化すること。また、広範囲にわたる大規模災害等も念頭に、地域において適切な対応をとることができるよう、政府と地方公共団体が連携して事前の備えを行うこと。

 


法制化を目指す

 

熱中症被害から国民の命を守るため、熱中症に関する諸課題を解決するために議連として法制化を目指すことも決議しています。引き続き、危機管理の観点からも熱中症 対策を推進してまいります。

 


提言内容資料
熱中症議連令和4年提言 PDF
熱中症議連令和4年提言(概要) PDF
法制化に向けた決議文 PDF

 

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