全国の所有者不明土地は九州本土より大きい

所有者のわからない土地が増えています。私たちの身近でも、かなりあります。今、全国の所有者不明土地を合わせれば400万ヘクタールにもおよび、なんと九州本土よりも大きくなっています。そして人口減少や高齢化の進展、地方から都市への人口流出などにより、この面積はさらに増えていくことが危惧されています。

たとえば市町村が公園をつくったりしますとき、土地の所有者がわからなければ、手続きは進みません。どれだけ地域の方々が望みましても、土地の所有者を探し出し、了解を得なければなりません。また、ただでさえ忙しい市町村役場の方々が所有者を特定するには多大なコストもかかります。

 

「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」を制定

そこで先の通常国会におきまして、「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」を制定いたしました。施行は来年の予定ですが、反対する権利者がおらず、また建築物がなく、現に利用されていない所有者不明土地につきましては、国や都道府県知事が事業認定した事業につき、収用委員会に代わって知事が裁定できることになります。

さらに、地域住民の皆さまの福祉や利便の増進に資する事業につきましては、知事が公益性を確認し、一定期間の公告や市町村長の意見を聴いた上で、最長10年間の利用権が設定できるようになります。所有者の方が現れ、明け渡しを求めました場合は、期間終了後に原状回復をして返されますが、現れない場合や異議のない場合は、期間を延長することも認められています。

公園や仮設道路、文化施設などをつくる際に役立つ制度

この制度は、公共事業を推し進める際、その用地確保を円滑にするためのものです。ですから、公園や仮設道路、文化施設などをつくる際に役立つことが期待されます。しかし、公益目的であれば、民間企業やNPOなどが利用することもできます。

これで抜本的に解決するわけではなく・・・

もちろんこれで所有者不明土地の問題が抜本的に解決するわけではありません。今後は不明地の発生抑制に向け、相続登記を促す仕組みや土地所有権を手放せる仕組み、さらには戸籍と登記の連携システムの構築などに向け、国土調査法や土地基本法の改正も検討してまいりたいと思っております。