晩夏とはいえ、まだまだ暑い日が続いています。皆さま、お元気ですか。今回は「日系四世の更なる受入れ制度」について記したいと思います。
日系人の歴史
今でこそ、わが国は人口減少に何とか歯止めをかけようと一生懸命ですが、明治から大正時代にかけては、食料難などの理由から、日本は海外への移民・移住に積極的でした。そして彼ら彼女らが日系人となり、その子孫たちは今、三世や四世になっています。定義や統計方法によっても異なりますが、現在、世界に「日系人」は約300万人もいるといわれています。
祖先の出身国である日本をもっと知りたいという思い
多くの方々が思われますように、ご自分の祖先やルーツには強い関心を持つものです。日系人の方々も、曽祖父母や祖父母の出身国に親しみを感じたり、興味を抱いたりするのは至極自然なことです。日本で言葉や文化を学んでみたい、働いてみたいと思う人も少なからずいます。そこで去る7月1日、法務省は日系四世を受け入れるための制度を設けました。年間4,000人程度の受入れを想定しています。
日本に対する理解や関心を深めてもらう
そもそも日系一世は通常、日本国籍を持っており、二世につきましても「日本人の子」ですから、日本に入国・在留することができます。そして三世につきましては、平成2年から在留資格が付与されましたが、その次の世代、つまり四世については在留が認められてきませんでした。そこで今回、わが国の文化を習得しながら日本に対する理解や関心を深めてもらい、ひいては日本と日系社会との結びつきを強めるために「日系四世の更なる受入れ制度」がつくられたのです。
日系四世の更なる受入れのために
ただ、日系四世の方々の在留につきましては、年齢制限のほか、一定の日本語能力や生計維持力、良好な健康状態など、いくつかの条件を満たすことが必要とされます。また、受け入れました日系四世の方々に対し、日系四世受入れサポーターがサポートすることとされています。具体的には、非営利法人や個人の方々に善意のサポーターになってもらい、日本文化・日本語教育をはじめとする生活情報や医療情報、雇用情報の提供、入国管理手続きの援助などを行っていただくというものです。
両国の懸け橋に
この日系四世受入れ制度は必ずしも短期的、あるいは経済的に利益をもたらすものではないかもしれません。しかし、日系四世の彼ら彼女たちが、ご先祖の地である日本に対する理解を深めてもらえれば、それぞれの国にお帰りになった後、両国の懸け橋になってくれると思います。小さな制度ではありますが、私はこうした小さな制度の積み重ねも、日本を、さらには世界を良くすることに結びつくと信じています。
なお、この「日系四世受入れサポーター制度」にご関心をお持ちくださった方は、ぜひ法務省のホームページをご覧くださいますようお願いいたします。
法務省:日系四世の更なる受入制度
○ 制度の概要 ・ 日系四世の更なる受入制度(日本語) 【PDF】 ・ Program for Further Acceptance of Fourth-generation Japanese(English/英語) 【PDF】 ・ Sistema de aceptación adicional para la cuarta generación de descendientes de japoneses(Español/スペイン語) 【PDF】 ・ Programa de Aumento de Recepção de Yonseis(Português/ポルトガル語) 【PDF】 ○ 手引き ・ 日系四世の方への手引き(日本語) 【PDF】 ・ Guidelines for Fourth-generation Japanese(English/英語) 【PDF】 ・