【雇用問題調査会】リ・スキリングの現状と課題について

学習院大学・守島基博教授による講演

2月14日(金)、【雇用問題調査会】では、学習院大学経済学部教授の守島基博先生より「リ・スキリングをめぐる現状と課題」についてご講演をいただきました。

日本の労働生産性の現状と課題

厚生労働省の報告によると、日本の労働生産性はOECD38か国中29位と低迷しています。その要因として、以下の課題が挙げられました。

  • 人材育成への投資不足
    業務外での人材育成(OFF-JT)の実施率が低く、スキル向上の機会が限られている。
  • DX人材の不足
    デジタル技術を活用できる人材が不足し、生産性向上の妨げとなっている。
  • 地域間格差
    東京圏と地方では時間当たりの生産性に大きな差があり、地方の活性化にはスキル向上施策が不可欠。
  • 自己研鑽のハードル
    「時間や費用の余裕がない」など、学び直しを妨げる要因がある。

技能オリンピックでの日本の活躍

一方で、技能オリンピック2024では、日本の若手技術者が自動車板金・車体塗装・美容/理容・再生可能エネルギー・産業機械の分野で金メダルを獲得し、日本の高い技術力を世界に示しました。47種目にわたる競技への参加は、ものづくり産業の未来にとって大変意義のある取り組みです。

今後の取り組み

今後、日本の労働生産性を高めるためには、リ・スキリングの推進、DX人材の育成、地域間格差の是正が不可欠です。また、技能オリンピックのような場を活かし、技術力の継承・発展を支援する政策にも注力してまいります。

引き続き、誰もが学び成長できる環境を整え、より良い雇用環境の実現に向けて取り組んでまいります。

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