高市早苗総裁 年頭所感

令和8年1月1日
自由民主党

あけましておめでとうございます。

本年は昭和元年から起算して満百年を迎えます。
「山やまの 色はあらたに みゆれとも
我(わが)まつりこと いかにかあるらむ」
御即位後初の歌会始での昭和天皇の御製です。

昭和は、戦争、終戦、復興、高度経済成長といった、未曽(みぞ)有(う)の変革を経験した時代です。まるで昭和が激動の時代となることを見通していたかのように、移り変わっていく山々の色を詠まれています。

令和の現在も、日本と世界は大きな変化を迎えています。

日本においては、静かな有事とも言うべき人口減少や、長期にわたるデフレから一転して国民の皆様が直面されている物価高、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境。そして、世界を見渡せば、我々が慣れ親しんできた自由で開かれた国際秩序は揺らぎ、覇権主義的な動きが強まるとともに、政治・経済の不確実性が高まっています。

昨年十月の内閣総理大臣就任以来、高市内閣では、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作るとともに、世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を実現するため、絶対に諦めない覚悟をもって、国家国民のために懸命に働いてまいりました。

 

なかでも、国民の皆様が直面しておられる物価高への対応を最優先に取り組んでまいりました。昨年の臨時国会では、「補正予算の成立」という形で、国民の皆様とのお約束を果たすことができました。そして、「責任ある積極財政」に基づき、強い経済、強い外交・安全保障の実現についても、政権として一定の方向性を出すことができたと考えています。

また、ASEAN関連首脳会議、AZEC首脳会合、日米首脳会談、APEC首脳会議、G20、「中央アジア+日本」対話・首脳会合等、数々の機会を通じ、国際社会の中で日本のプレゼンスを高めるための外交にも積極的に取り組んでまいりました。

しかし、高市内閣は始動したばかりです。これから取り組むべき課題は山積しています。

「歴史の中に未来の秘密がある」
日本美術を世界に紹介した岡倉天心の言葉です。

昭和の多くの時代には、「今日より明日はよくなる」という「希望」がありました。日本と日本人の底力を信じてやまない者として、激動の昭和を生き、先の大戦や幾多の災害を乗り越えて今の日本の礎を築いた先人の叡智(えいち)と努力に学びたいと思います。その上で、変化をおそれず、必要な改革を断行していきます。

今年初めて投票する十八歳の若者も、生まれたばかりの赤ちゃんも、次の時代を担っていかれる方々です。彼らに、日本の未来を信じてほしい。「希望」を抱いてほしい。今の時代をお預かりしている私達には、「日本列島を、強く豊かに」して、次世代に贈る責任があると考えています。

日本列島を、強く豊かにしていくこと、そして、そのことを通じてこの国に「希望」を生み出していくことを、国民の皆様への新年の誓いといたします。

本年が、皆様一人ひとりにとって、幸多き一年となりますことを祈念申し上げます。

 


鈴木俊一幹事長 年頭所感

令和8年1月1日
自由民主党

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年わが党は、参議院選挙で国民の皆様からいただいた厳しい声を謙虚に受け止めながら、比較第一党として各党・各会派と真摯に向き合い、これまで以上に柔軟な姿勢をもって、政策を一つずつ前に進めてまいりました。

昨年にかけて、株価は5万円前後まで上昇し、GDPは初めて600兆円を超えるなど、わが国経済は今、長きにわたる低成長から脱却し、物価と賃金の好循環によって大きく胎動し始めています。
重要なのは、この流れをしっかりと軌道に乗せ、持続的で安定的な成長へとつなげていくことです。足元の不安に常に寄り添いながら、将来を見据えた日本の成長戦略を描き、必要な施策や投資を戦略的かつ積極的に進めていくことで、息の長い成長を実現するための「強い経済」をつくってまいります。

一方で、わが国を取り巻く環境は加速度的に変化しています。中国、ロシア、北朝鮮の軍事動向や中東情勢等を巡る地政学的なリスクに加え、近年はAI、サイバーといった新たなリスクや、大規模自然災害や気候変動による地球規模のリスクも高まってきています。あらゆるリスクから国民の生命や財産を守り抜けるよう、常に先手で対応し、平時から不断に万全の備えを行なってまいります。
また国際社会では、自由主義経済や国際秩序といったこれまでの価値観が揺らぎ、不確実性が高まっています。平和と繁栄の礎である「自由で開かれた国際秩序」の維持・強化に向け、各国と幅広い分野で連携を強化するとともに、地球規模の課題解決に向けて結束を図り、わが国が自ら旗手となって、世界の平和と安定を築いてまいります。

安定した政治基盤がなければ、政策を推進することはできません。わが党が国民政党として再び信任をいただけるよう、あらゆる機会を通じて国民の皆様と対話を重ね、政治の信頼回復に取り組むとともに、各党・各会派と丁寧な意思疎通を図りながら政策を着実に進め、政治の安定を実現してまいります。

本年の干支である午(馬)は、温厚な性格ゆえの柔らかさと、大地をまっしぐらに駆け抜ける力強さを兼ね備え、前進や飛躍の象徴とも言われています。わが党は揺れ動く時代と向き合い、多様な意見の違いを乗り越えながら、未来へとつながる調和を築き上げ、秩序と活力ある日本らしい社会を目指して勇往邁進する決意です。

国民の皆様、党員・党友の皆様にとっても、本年が飛躍の一年となりますことを心よりお祈りいたします。

 

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