【食料・農業・農村基本法】改正案、農政の憲法初の本格改正へ向け議論

2月13日(火)、自民党の合同会議にて、食料安全保障の強化に向けて、【食料・農業・農村基本法】の改正案のほか、食料不足への対応などを盛り込んだ関連法案の概要が農林水産省から示され、議論しました。 基本法は「農政の憲法」とも呼ばれ、本格的な改正は1999年の制定以来、初めてです。世界的な食料需給の変動や地球温暖化、国内の人口減少など農業を取り巻く情勢の変化を背景に、環境と調和した食料システムの確立や農業の持続的な発展を図ります。

改正案で定義された食料安全保障と持続的発展への取り組み

改正案では、食料安保を「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態」と定義し、食料安全保障の確保に向けて、農産物や農業資材の安定的な輸入を図っていくほか、農業の持続的な発展に向けて、農業法人の経営基盤の強化やスマート技術を活用した生産性の向上に取り組んでいくとしています。

価格転嫁を明記した価格形成と新法案における食料不足への対応策

価格形成では「持続的な供給に要する合理的な費用」を考慮する考え方を新たに位置付け、価格転嫁の必要性が明記されました。 また、食料不足への対応を盛り込んだ新たな法案では、食料がひっ迫する事態を未然に防ぐ必要があると判断した場合は、内閣総理大臣をトップとする対策本部を設置し、コメや小麦、大豆など、重要な品目や関連する資材の確保すべき数量を設定したり、生産者に生産の拡大を要請したりできるとしています。

法案の閣議決定と通常国会での成立を目指す方針

これらの法案については、今月下旬にも閣議決定し、今の通常国会での成立を目指す方針となっています。

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